聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき

苦手な面々

なんかガブリエルに丸投げされた。

確かに。
マリアを助けるために、あいつはあそこにいるべきだろう。

ヨハネが付いていたところで。
なにか起きた時に緊急の処置などできるはずもない。


マリアを囲む御老人の霊体たちも。
召喚しなければただの魂。


上級種の悪魔の瘴気にすら近づくのが困難なのに。
あの毒素に近づくのはその個体の消滅を意味しかねない。


でも……自分が行くのはものすごく足が重い。
そのうえ、頭まで痛い。


出来ることなら、あまり戻りたくない場所だな。

戻ると厄介事が多くて、それだけでうんざりする。



『厄介事』と言えば。



この手渡されたデカイ注射器。

中身はあの悪魔の『毒素』なわけだが。


これを持つ手が異様に重たく感じる。



あいつ、ほんとにいやなこと、全部丸投げしやがって。



これを『危険物管理者』に『廃棄』するために『申請』しなければならない。
『申請』先にいる『法務省』の管理官が『アイツ』だろう?


絶対に、すんなりとは『申請』させてくれるはずがない。



想像はできるが。
それでもこのまま、こんな物騒なものを持ち歩き続けるわけにもいかない。


仕方ない。

とりあえず、法務省でも向かうとするか。



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