聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
天界には天界のルールがある。

それを取り締まるのが『法務省』の仕事であるが。

これが本当に面倒な役所なのだ。

そこを取り仕切るヤツも、一筋縄ではいかない堅物で。
一言でいえば、ガブリエルとは真反対。


規律・道徳・責任・義務。


そういったものをとても重要視している。


ガブリエルにあの男の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいと何度思ったことだろう。



「おいっ」



不意に声をかけられる。


聞き覚えのある声に、チッと胸の中だけで舌打ちする。


「怪しいもんもってウロチョロすんなよな、おまえ」


『怪しいもんもってウロチョロすんなよ』とか言われたな。


好きでこんなもの持っているわけないだろうが!!
皆まで言わなくとも気づけんのか、大バカ者が!!


「大バカ者って言ったな、おまえっ!!」


背中にピリッと殺気が走る。


ウザい。
ウザすぎる。


この非常事態におまえは本当にウザすぎる。





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