聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「ミカエル」


そんな自分の名前をラファエルが呼んだ。


まだ、なにか嫌味の一言でも言いたいのか?
面倒だな。


「森へ同行したいと申請が出ています」


は?
同行したい?
誰が?


自分と行くって?



「ええ。しかも2名。ガブリエルからの推薦状まで付いています」



ガブリエル。
余分な手回ししてやがったのか。


「いいえ。これは本人たちの強い希望です。ガブリエルの推薦状など、私の口を塞ぐための手段にすぎません」

「自分に同行者はいらない」


答える自分にラファエルの「そう言うだろうと思ってました」という言葉が返ってきた。


「だから申請を許可しました。単独での勝手な行動は許可できませんから。二人にはあなたの監視官として行動を共にしてもらうことにしました。これは主からの天命です。あなたにも拒否権はありません」


チッ。
面倒なこと増やしやがって。


「二人を森の入口で待機させてあります。くれぐれも無理をしないよう、いってらっしゃい。あなたは『天軍』の『総大将』なのですから、いなくなられては困ります」


わざと強調したな。


これだから、こいつはやりにくい。





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