聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「どれだけあなたと付き合ってきたと思ってるの? まぁ、あの子ほど、あなたを理解はしてあげられないけれど。あの子の望み、叶えるために行くのでしょ?」


マリアはそう言って、自分をじっと見つめた。


だてに年をとっているわけではなく。
だてに子供を産み、育てたわけではなく。


ということか。



「昔よりも口が軽くなったようだな」

「あら? あなたほどじゃないと思うわよ」


まったく。
開き直ったな、この女。

昔のどこか儚げな女性の影も形もない。


大きな猫を被っていたところは、自分と変わらないらしい。



「さて……」


同行者一人目は『マリア』と判明したところで。



ぼちぼち二人目にも登場願おうか。




「ジジィ。そろそろ出てこい」


自分の呼びかけに、背後の空間がピリッと裂ける。

そこから、恐ろしく派手なシャツを身にまとった白髪の老人が姿を見せる。




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