聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「そこまで言うのならいいだろう。見せてやる。しっかりその目に焼き付けろ」

「剣は?」

「おまえの剣など、借りるまでもない」


そう。
大天使である私をナメるなよ、バカ者たちが!!


「自分と出会ったことを後悔するがいい!!」


祈るように一度手を合わせた後。
それを一気に離し、十字を大きく切る。


「浄化の炎をその身に刻め!!」


自分に向かって一気に黒い影が動いてくる。

地を這うもの。
空を飛ぶもの。
木々を伝うもの。


不浄なるモノはすべて消え去るがいい。
不浄なるモノなど、光のない世界へ戻るがいい。


片翼だからな。


手加減などできないし。
力をコントロールなどする気もないしな。



十字を象った炎が大きな爆発音を立てて、四方八方に広がる影たちを一気に飲み込んだ。


烈風が起き、髪が乱れたのはほんの一瞬。


「ここまでやらんでもええんじゃろうに……」


どこかでジジィがぼやいている。


そんなもん、知るか。

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