聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「あはっ。『尻軽』っていい響き。お似合いじゃん」


ケタケタケタケタ。

実に楽しそうな笑い方をする。


あれだ。
自分の言葉に陶酔するタイプなのだ。


ウザい。
本当にウザい。

口に物を詰め込んで、その声を塞いでやりたい。


「ミカエル、やる気あるわよね?」


目の思い切り据わったマリアの顔がそこにあった。


やる気?
聞くまでもない。


「おまえは?」

「聞くまでもないわよ」


どうやら、ここへきて初めて同調出来た感じだな。


「これならいけるだろうな。『出来損ない』らしいおまえの『剣』でも」

「喧嘩売るなら出さないわよ」


その怒りは向こうにぶつけろ。


「闘争心に火をつけただけだ。おまえのことは『必要』だからな」


その言葉にマリアは一瞬だけこわばった顔を緩めた。



「私も『今』のあなたは必要だわ」


にやり。
マリアに頬笑みを返してやる。


勝ったな。
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