聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「剣を出すまで、時間稼ぎは頼んだわよ」

勿論。


「剣なんか出させないよ」


ネビロスはそう言うと地を蹴りあげた。
大鎌を身を反らすほどに振り上げ、こちらへ飛びかかってくるのが見えた。

急いで一枚羽を抜き、武器を想像する。


そう言えば……アイツの武器ってどうだっただろう?


刃が次から次に出てくる、素晴らしくお手頃な感じの。

カッターナイフ。

おまけに持つところに動物の毛のような飾りまであったな。


ダメだ。

余分なこと考えすぎだ。



「やっぱりな」



こういうときに余分なことを考えてはいけない。



アイツのことを笑えない状況だ。



手の中に、アイツが持っていた武器と同じモノがある。



これを、武器だと言っていいのか?
そもそも、これで戦っていたというのが信じられん。



「死ねよ、あっさりな!!」



ネビロスの声が頭上に響く。
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