聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「あなた、真面目に時間稼ぎする気あるの? なんなの、その武器は!!」


マリアが苛立ちあらわにそう叫んだ。


「しかも相手、妙に殺気立ってるじゃないの!!」

「仕方ないだろう。考えていたら……こうなったのだから」


アイツへの想いの強さゆえにというところだが。


これはマリアには言えないな。



ちらりと殺気立っている輩に目を向ける。


目が赤みを増し、毛は逆立っている。


細長い尻尾が何度も何度も地面を鞭打っていた。



「悪いがおまえも急いでくれ。この武器で勝てる自信が微妙になった」

「だったら盾でもなんでも出しなさいよ!!」


なるほどな。

その手があったか。


「分かった。とにかくおまえも急げ」


言った瞬間に、殺気が一気に自分に向かって迫ってくる。

その風圧に怯みそうになった。


「滅滅滅滅っーーー!!」


鎌が風をまとい、その風圧で肌が切れる。
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