聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
ブンッと大きく剣を振り、前を見据える。


頑張ってディフェンスしていた壁の化け物が、ネビロスの攻撃に耐えきれなくなって仰向けに倒れ込んだ。


なんとも切なそうな声と瞳でこちらを見つめる。


けなげに頑張ったらしい。


「御苦労。あとは任せるがいい」


ねぎらいの言葉に、壁の化け物は嬉しそうに笑い、パンっと弾けて光の粒子になって飛び散った。


「ミカエル~!! テメェだけはゆるさねぇっ!!」


憎悪に満ち溢れた瞳でネビロスはこちらを睨み、ゴロゴロと唸り声を上げた。



「そう言えば、手がかりがないと困るんだったな、マリア」


目的はコイツを倒すことじゃない。

前に進むことだ。


「情報だけ、頂くとしよう。地獄の監視官なら、なんでもこの世界のことは知っているだろうからな」


ニンマリとネビロスに笑みを返してやり、剣を構える。



それは一瞬の勝負。



ヤツがこちらを目がけて飛んでくるその瞬間。


自分はヤツの背後に回り、その首を炎の剣で切り落とす。
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