聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
落ちそうになるヤツの頭を、髪の毛を引っ張って吊り上げて、自分の顔に持ってくる。


炎の剣はヤツの体を焦がし、灰と化していく。


頭がそうならないように、凍る息を吹きかけ炎を消してやった。


「さぁ、こうなったら手も足も出ないな。大人しく聞いたことに答えたら、頭だけは見逃してやる。聞かないなら天界におまえを連れ帰り、危険物処理係におまえを引き渡す。

うちの危険物処理係はな、結構えげつないぞ。溶液に漬けこまれ、さらし首だ。そして毎日脳みそだの、鼻の穴の中身だの、いじくりまわされ、研究されるぞ。

ウリエルのヤツの噂ぐらい、おまえでも聞いているだろう?」


絶対に抵抗してやるというような顔つきだったネビロスの顔に劇的な変化がもたらされる。


どうやら、どれほど悲惨な目に合うか、地獄でも噂は大きいようだ。


まったく四大天使の中で一番自分がまともで寛大であることを、周りは知らなさすぎるのだ。


真に注意すべきはガブリエルのような、一見いいヤツのフリをする輩だというのにな。



「さぁ。我らの目的の主はどこにいる?」


尋ねると、ネビロスは一度唇を噛み、悔しそうな顔を見せた。


だが、ため息をつき「この先の河原にいる」と答えた。
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