聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「これ以上は知らない。あとは直接会って本人にでも聞け」


ネビロスはそう言って、目をそむけた。


まぁ、いいか。

とりあえず、聞きたいことは聞けたのだし。


「では、おまえを解放してやるが、どうしてやるのが一番いい?」


質問にネビロスは目を開き。
2、3度、パチパチと瞬きをした。


妙なことを言った覚えはないが?


「正気で言ってるのか?」

「なにが?」

「本気で解放する気あるのか? しかも一番いいのはなんだとか、本気で言ってるのか?」

「約束だからな。それに昔『思いやりを持て』と怒鳴りつけられたことがある。約束を守った輩に『思いやりのない態度』をしたと知れたら、あとでどんな目にあうか分からない。ただそれだけだ。他意はない」


そう言うと、ネビロスは小さく笑って「そこらへんに置いてくれればいい」と言った。



「どうせ、主人に知られれば、なくなる存在だ。それまではここでこの門を眺めていられればいい」

「そうか」


なるべく門がよく見えるように。
手ごろな岩場を探し、そこにネビロスの首を置いた。
< 69 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop