聖男子マリア様 番外編  俺様天使奔走中につき
「気が済むまでやるがいい。それでおまえの囚われた心が解き放たれるのであれば、進んでその身を晒してやる」

「ミカエル!!」

「ミカ坊主!!」


驚いたように同行者二人が叫んだ。


「それから、鞭打つのはかまわんが、その男は放してやれ。約束は守ったのだから」

「うるさいっ!!」


ビシィッッッッ!!



先ほどよりも強い力で鞭うたれる。

今度は胸のあたりの皮をはいでいく。


「もう一度言う。この体を自由にするのは構わんが、ジジィを放せ」


アラダの瞳が紅くギラギラと煮え立つように燃える。

怒りで我を忘れ、言葉が届かない。


ジジィを解放してから言うべきだった。



思いやるとは難しい。



「おまえに……愛も知らぬおまえに何が分かる!!」



怒りにうち震えた鞭が飛んでくる。
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