百物語骨董店
「お母ちゃんが…
猫が…
守ってくれたんだ」
タケルが呆然と指差した
指差した先には
美しい男が
ひとり
色白の面
薄い色の瞳に漆黒の髪
ほんのり赤い
唇
「名前をつけて
しまったのですね」
男がタケルに近付いて
手に握らせたのは
傷だらけ
瞳の石も砕け散った
黒い猫の置物
「約束を破っても
無事だったのは
君が初めてだよ」
タケルの母は思わず
男に見とれた
美しい
無表情な男に
「お兄ちゃん」
雨はタケルと母を
容赦なく濡らす
「なんですか?」
ただ、 不思議なのは
「この猫
引き取ってください
こんなにしちゃったから直してあげて」
その美しい男が
「子供だからといって
容赦しない、と
言いましたが」
濡れていないこと
「収穫もありましたので無償で引き取らせて頂きましょう」
男はそう言った
猫が…
守ってくれたんだ」
タケルが呆然と指差した
指差した先には
美しい男が
ひとり
色白の面
薄い色の瞳に漆黒の髪
ほんのり赤い
唇
「名前をつけて
しまったのですね」
男がタケルに近付いて
手に握らせたのは
傷だらけ
瞳の石も砕け散った
黒い猫の置物
「約束を破っても
無事だったのは
君が初めてだよ」
タケルの母は思わず
男に見とれた
美しい
無表情な男に
「お兄ちゃん」
雨はタケルと母を
容赦なく濡らす
「なんですか?」
ただ、 不思議なのは
「この猫
引き取ってください
こんなにしちゃったから直してあげて」
その美しい男が
「子供だからといって
容赦しない、と
言いましたが」
濡れていないこと
「収穫もありましたので無償で引き取らせて頂きましょう」
男はそう言った