百物語骨董店
4丁目の角



突然現われた


奇妙な店



智子は
しきりに言っていた




素敵ナヒト
…アンナヒト
ミタコトガナイ



…ミタコトガナイ



まさか
あの店主のことだろうか


智子は
まだ目を覚まさない



熱は一晩で
とれたのに



眠ったまま
繰り返す




アノ人ハドコ
アノ人に会ワナケレバ




医者も首をひねる


「なぜ目を覚まさないのだろう…」



智子は
繰り返す



キレイナ…

トテモウツクシイ…



かわいそうに 智子…
うなされている



キレイナ…


キレイナヒトミ…



カエシタクナイ…



私は驚いた


智子は何を
返したくないんだろう


私はあの店に
行かなければならない
気がした

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