百物語骨董店
次の日



私はその店に
行ってみることにした




「4丁目の角ね…」



智子が言っていたとうりに歩いてみる



……ない



そんな店
どこにもない



足が棒になるほど歩きまわったが



智子が言っていた
美しい店主のいる店は
見当たらなかった



智子は一体
どうやってその店にたどり着いたのか



そしてそこで一体
何があったのか



私はどうしても
確かめなければならない


体の中からわきあがる
妙な決意…



この時から
私も



あの赤い月に
侵されていたのかもしれない


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