百物語骨董店
「…いつの間に?」
俺の手には
ほうきとチリトリが
握らされていた
バクは
ぴょんぴょんと
跳ねながら
夢を食べてゆく
食べた後は
真っ白に
消されていく
呆然と
眺めていると
はらはらと
千代紙の
欠片が
落ちてくる
なんとなく
…俺は
それをはき集めていった
食べていくごとに
バクは膨らんで
バルーンのように
ふわふわ浮かんでいる
バクは楽しそうだ
俺も
何故か恐怖よりも
子供の頃
遊園地に行った時のような
わくわくとした
気持ちになっていた