3年D組神様
「うっ・・・いっ・・うっ・・・」
オレは昼休みの恒例行事の真っ最中。
四方をいかついお兄さんに囲まれて・・・・
かごめかごめではありません。
踏んだり蹴ったりって言葉はここから来たんだな
なんて思いながら俺はゆっくり300秒を数えていた。
300秒間我慢すれば儀式は終わる。
やつらはあまりリアクションをしない俺に飽きて去っていく。
(172・・・173・・174・・・)
「あれ?カゴメカゴメしての?俺も入れてよ。」
その声は急にオレの頭上から降り注いだ。
あれが久々の天の声だった。
そこには後光というのか、正午の真上の太陽の光をたっぷり浴びた男がいた。
貯水タンクのある屋上のドアの屋根の上からオレを
見下ろす神の顔はまぶしくて見えなかった。
「日本はまだカゴメカゴメはやってんのかあ・・・すげえな。なつましい・・」
「あ??お前なに言ってんだよ。なつましいってなんだよ。」
「馬鹿なんじゃねえの?」
「降りてこいよ、お前も仲間に入れてやるから。」
いかついお兄さん達は神様をかごめかごめに誘い入れた。
「ちょっとまってね、今降りるから。」
ふわっと神は舞い降りた。
いや、正しくは「ズン!!!」という音と共に
金髪でロン毛のお兄さんの上に着地した。
「いっでえええええええ!!なにすんだ、このクソ!!」
「ごめんごめん、正座してたら足しびれちゃって着地しっぱい。」
てへっと言った感じに神は片目を閉じて下を出した。
開いた片目からは真っ青な瞳が、キラキラ輝いていた。
(神様が帰ってきた・・・)
< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop