沈黙の華
次の日子分たちにそのことを話すと、

みんな自分の見た、聞いた体験談を話始めた。

情報をまとめてみると、なんでもその女の幽霊は

年は16か18くらいで主に目撃情報はビルの屋上で

こちらのほう、下を見下ろしているらしかった。

そして声を聞いたものは大体事務所から上の階の組長の部屋から

聞こえてくるというのが主な情報だった。

どうやら幽霊はココア様を呪っている霊らしい。

まあ、一つの組の組長ともなれば、

呪われるような相手は五万といるだろうが、

なんで少女の幽霊なんだろうか?と皆一様に首を傾げた。

みなが悩んでいると組の中でも年長者の岡野が

ポツリと話始めた。

「もしかしたら・・・あの家族の子かもしれねえ・・・」

なにやら思い当たる節のある岡野にオレは問いかけた。

「あの家族ってのはなんだ?」

「若は多分知らされてないと思うんですが・・・

というよりむしろ知るはずがない事件のことなんですが・・・」

「なんだよ!!もったいぶらないで話してみろ!!」

「いや、話していいものかどうか・・」

とても言いづらそうな岡野を見てだんだんイライラしてきたオレは

そこにある灰ざらを思いっきり壁に叩きつけた。

「いいから早く言え」

驚いた岡野は足をがたがた震わせていた。

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