Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


誕生日の夜、あたしは剛が予約したホテルのレストランにいた。


「麻里、これプレゼント」


今日の剛はホストみたいに必要以上にアクセサリーを身に付け、鼻の奧まで匂うキツイ香水。


彼女の誕生日ごときに、こんなに気合い入れて来た彼氏は初めてだった。


「プレゼント開けていい?」


剛に渡された小さな箱を
ゆっくり開けた。


「うわぁ…これ」


あたしが手にしたのはプラチナ小さなダイヤが入ったネックレスだった。


「これ…いいの?」


満面の笑みで剛が頷く。


「麻里はいつも、そのネックレスしかしないだろ?そんな暗い色よりダイヤの方が似合うはずだからね。付けて見せてよ」


「え…う、うん」


お兄ちゃんとの証を外すのは、かなりの抵抗があった。


あたしにとってダイヤモンドより価値のあるネックレス…。


でも、せっかく剛がプレゼントしてくれた訳だし今日だけは外してもいいよね…


お兄ちゃんごめんね…―。










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