Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
〜第八章〜 毒蛇の正体
よし!これであとはメイク道具を入れれば準備OKっと―。
剛と初めての旅行まであと三日もあるというのに準備に余念が無かった。
正月休みも終りに近付き街では門松を取る家があちらこちらに見受けられた。
準備を終えリビングに置いてあるミカンを手に取ろうとした時、玄関のインターホンが静かな家に響いた。
誰だろ…―?
近所の人はお父さん達が留守な事知ってるはずなのに…。
リビングにある玄関のモニターを覗くと怖い顔をした男二人が立っていた。
「はい。どちら様ですか?」
「お嬢。宮滝組の者です」
宮滝組ってお兄ちゃんの所だ…。
受話器の奧から聞こえた声に聞き覚えがあった。
確か、お兄ちゃんの家に行った時”兄貴が羨ましいです”とか言ってた弟分の一也(カズヤ)さんだ…。
お兄ちゃんの弟分が、どうして家に来るんだろ…?
もしかして両親がいない事を覚えててくれて迎えに来てくれたのかな…?
不安と期待が入り交じりながら玄関へと走った。