Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「こんにちは、お久しぶりです。どうかしたんですか?」
慌てて玄関を開けると血相を変えた一也さんと宮田と名乗るお兄ちゃんの弟分が深々と頭を何度も下げた。
「お嬢!!すいません!!ワシが付いていながら兄貴に怪我をさせてしまって…」
声を詰まらせながらずっと頭を下げる二人の肩は奮えていた。
「お兄ちゃんが怪我?嘘でしょ?正月早々冗談キツイですって」
「いえ、本当です!詳しい事は言えませんがとにかく病院へ急ぎましょう。譫言でお嬢の名前をずっと呼んでらっしゃいます」
そんな……。
頭の中が真っ白になり一也さんの涙が頬を伝い冗談では無い事を知り高級車に乗せられ病院へ向かった。
神様お願いです――…
お兄ちゃんを助けて下さい 。
天国のお父さん、お母さん、お兄ちゃんを連れて逝かないでね
お兄ちゃん…頑張って
車の中でエメラルドの指輪を握りしめ必死で祈った。