Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


莉奈の家に着くと見覚えのある高級車が一台止まっていた。


これって――…。


莉奈の顔を覗き込むと笑顔で高級車の窓を叩き誰かに合図をしていた。



「お兄ちゃん!!」


「あたしが颯斗さんを呼んだの。麻里が彼に殺されるのが怖かったから…勝手な事してごめんね」


「りな…、あたしの為に…ありがとう」


そして莉奈はあたしの耳元で”麻里の心はずっと剛君ではなくて颯斗さんでしょ?”と呟き、その場から消えた。


目の前には大好きな人


お兄ちゃんが立っていた。


「麻里!!お前…俺の為に…すまない」


お兄ちゃんは何度も謝り骨が折れるくらい抱きしめた。


あたしがプレゼントした香水の匂い。


セブンスターの匂い。


お兄ちゃんの腕の中は、高級布団よりフワフワで温かくてずっと求めていた居場所だった―。










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