Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「兄貴、コイツですわ。あと過去の女に関係があるみたいです」


「そうか……」


一也さんの声でうっすらと目を開いた。


差し込む光が眩しく、扇風機の風力で揺れる風鈴が鼓膜を震わせた。


あたし…あのままお兄ちゃんの腕の中で寝ちゃったんだ――…。


鏡を見ながら唇を人差し指でなぞる―…。


つい、さっきまでこの唇にお兄ちゃんの唇が重なっていたんだ…。


思い出すだけで顔が茹でタコに変身した。


「麻里、起きたのか?」


「う、うん」


慌てて鏡を伏せ、乱れた髪を整えた。


「おはよう、麻里」


お兄ちゃんは頭を撫でながら頬っぺたにキスをした。


な、なんで…人前でキス??


一也さん達、見てるし…

「お、お兄ちゃん?正気ですか?」


「何気にしてるんや!麻里のアホ。俺に逆らう奴なんかおらんわい。てかアイツらが麻里とこうなる日を望んでたからな」


「え……?」


視線を一也さんに向けると怖い顔に笑窪ができ、両手はピースサインをしていた。















< 137 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop