Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「なぁ麻里、俺達がこうなった以上片付けなきゃいかん事が沢山ある」
急にお兄ちゃん眉間にシワを寄せた。
「片付けるって?」
あたしは首を傾げた。
「まずは剛とやらときっぱり切れ。あいつは麻里を愛してなんかいない。恐らく復讐の為だ」
お兄ちゃんが一枚の写真を投げるようにテーブルに置いた。
その写真には剛と女の人が写っていた。
あれ、この人…何となくあたしに似てる…。
髪型に髪色。
二重瞼に唇の形。
自分を見ているようだった。
「この人、二年前暴力団同士の争いに巻き込まれて銃弾が当たって死んだんだ」
そういえば新聞でその記事を目にした事を思い出した。
あたしと同じ年齢だったから余計に印象深かった。
「それがどうしてあたしに?」
「推測なんだが、奴は女を殺した連中を俺の組だと思ってる。確かにあの頃、縄張り争いが絶えなくて派手な戦争をしたよ。そしてある新聞が銃弾飛ばした暴力団は俺の組だと書きやがったんだ」
「本当にお兄ちゃんの組じゃなかったの?」
「当たり前だ!俺らの連合はシャブもチャカもご法度だからな。やるときは素手一本さ。チャカは万が一の為に持ってはいるけどな」
だから剛はあたしとお兄ちゃんがキョウダイだと知った時、都合のいい顔を見せたんだ。