Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「ねぇ、剛、本当の事が知りたいの。あたしを利用したんでしょ?」
「……」
「貴方が愛しているのは二年前の発砲事件で巻き添いになったこの人よね?」
あたしは鞄から彼女の写真を取り出し剛に見せた。
剛は床に膝ま付き写真を見ながら犬の遠吠えに近い声で叫んだ。
「顔も背丈もあたしに似てる…。そして名前も同じ。貴方が学生の頃、他校に彼女がいるって言ってたの思い出したの」
「俺は…復讐すると決めたんだ」
急に剛の目つきが変わりあたしを鋭い目で睨んだ。
今までに何度も見た蛇のような鋭い目。
体中に鳥肌が散らばっていくのが分かった。