Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


ゆっくりとコートから拳銃を取り出し、生き霊のオデコにその不気味な物体を向けた。


震える手を両手でしっかり押さえる。


お互い睨み合いながらその時を待つ。


今までの思い出が走馬灯のように駆け巡り、剛の顔がぼやけて見えない。



そして――…


ダァーン


物凄い音と同時に、床には血の海が広がる―。


とうとう剛を殺してしまった。


かつて、愛した男を自分の手で射止めた。


恐る恐る、剛に近付く。


呼吸を確かめようと顔に手を置いた時だった。


「ウワァッッ…」


奇妙な声と同時に腹部に激痛が走る。


視線を腹部に移すと剛のナイフがあたしの胸に突き刺さって大量の血がコートを赤く染めていた。


これでゲームが終わる―。


あたし、このまま死んじゃうんだ…。


どうか、この先お兄ちゃんが幸せでありますように―――…。


最後にもう一度お兄ちゃんの膝の上に乗りたかったな…。


お兄ちゃんバイバイ…。


愛してるよ――――…。







あたしは長い眠りについた――――…。














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