Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
〜第十章〜 命果てるまで
今、あたしは何処にいるのだろう――…。
随分長い夢を見た気がする。
お兄ちゃんと幼い頃、象さんの滑り台で抱っこされながら遊んだ風景を幾度が見た。
お兄ちゃんが何度もあたしの名前を呼んでいた。
”麻里、こっちだ”
暗闇の中でさ迷うあたしに手を差し延べてくれた。
あ、そうか。
あたしはもう、死んだんだ―…。
でも何かおかしい。
体の痛みが分かる。
剛に刺された腹部に違和感があるのは何故?
死んだら痛みが消えると思っていたのに――…。
なんだか、周りが騒がしくて聞いた事あるような音が聞こえる。
もしかして――…
あたし、生きてるの…?