Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「あの日は、嵐のように外は荒れていて夜勤の看護師達は雨漏り対策に追われててすんなりとナースステーションを通過できた」
お兄ちゃんは時折、氷のような冷たい眼差しでその日交わした剛との会話を話し始めた。
―――…
「テメェ俺の麻里をよくも酷いめに合わしてくれたな…憎かったのは俺だろう?どうして麻里を…。今日はお前の命日にしてやるよ」
「好きにしろ…生きてたってブタバコ行きは決まってるし、生きてても地獄だからな」
俺が刀をアイツの心臓の上に翳(カザ)してもビクともしなかった。
まぁ…動けないっていうのもあったんだろうけどな。
「なぁ…兄貴さんよ、麻里を愛してるんだろ?だってお前実の兄妹じゃねぇもんな。麻里もお前に惚れてる」
「だったらどうだと言うんだ」
不気味に笑うアイツは今から死んでいく顔には見えなかった。