Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「麻里は強がっているけど寂しいがり屋の甘えん坊だ。そこが可愛いんだけどな…」
「…なんだと?今更何を言う。お前は麻里を愛してなんかいないだろ?麻里を死んだ恋人の代わりにしてただけなんだからな」
「あぁ…初めはその通りさ。でも麻里が傍にいるだけで癒されてたんだ。気付いたら復讐とかどうでも良くなってた。麻里に撃たれて初めて俺はアイツ自身を愛していた事に気付いたんだ」
「きれいごと言うな…」
そしてアイツは俺に刺される前に死んだよ―…。
最期の言葉は
「麻里を幸せにしてくれ…。麻里の笑顔はカンカンに照らす太陽でもあり、輝く月や星、それに腐った心を流してくれる優しい雨でもあるんだ…お前なら守れるだろ」
―――…
そう言い残しアイツは目を閉じ目頭から一滴の涙が枕に落ちた。
「剛が泣いてたの…?」
「あぁ、アイツは麻里だけでなく俺も守ってくれた。俺が殺人者にならないように灯りかけた命を自ら消したんだ…」
あたしはベッドから床にずり落ち泣き叫びながら剛に謝った。
命果てるまで、剛はあたしとお兄ちゃんを守ってくれた。
この命、無駄にするわけいかない――…。
剛の為にも、命懸けで守ってくれたお父さんや産んでくれたお母さんの為にも逃げ出してはいけない。
あたしは生きる―。
そう心に誓った。