Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
両親との別れを惜しむ間もなく誕生日の朝を迎えた。
カーテンを開けると朝日と雪を照らしキラキラと白い星が輝いている―。
確かこの家に初めて来た日も、こんな風景だったことを思い出した。
あの時はお兄ちゃんと離れた寂しさと緊張で景色なんか見る余裕は無かった。
日本もすてたもんじゃないなぁ…。
おもいっきり背筋を伸ばし綺麗な空気を胃が破裂するくらい吸い込んだ。
「麻里、起きたのか?おぉ…白い星が出来てるな綺麗だ」
奥で寝ていたお父さんが起きてきて二人で朝の幻想的な風景を眺めていた。
「颯斗には約束通り昨日電話しといたから昼過ぎには迎えに来るだろう…それまで荷物をまとめなさい!父さんも手伝うから」
「う、うん。ありがと」
お父さんはポンと肩を叩くと朝刊を取りに玄関に向かった。
本当に今日でこの家とサヨナラするんだ―…。
昨夜あんなに泣いたはずなのにまた涙が頬を伝った。