Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
正午を過ぎた頃、家の庭に次々と高級車が並び、近所の人達が珍しそうに見ているのが二階の窓から見えた。
…ったく、あんな車にどうやって荷物積むのよ…。
あんな沢山人要らないのに…。
あたしはカーテンを閉めると急いで一階に降りた。
「許して下さってありがとうございました。これからの事は心配なさらないで下さい。俺の全てをかけて麻里を守ります」
「勘違いするなよ…」
え………?
リビングから聞こえるお父さんの冷たい口調に足が止まる。
「お前の父親が弟を殺した事を許したわけじゃない…。お前があの殺人鬼に見えて殺してやりたいくらい憎い。だがお前は殺人鬼じゃない颯斗だよな。麻里が必要としてる颯斗だから託すんだ。娘の幸せが一番だからな…」
お父さんありがとう…。
「ありがとうございました!!」
お兄ちゃんが床に頭を付けてお父さんとお母さんに土下座をした。
あたしの為に――…。
「顔を上げなさい。麻里が見てるぞ」
お父さんの声にお兄ちゃんが振り向きお互いニコッと笑った。