Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「ほら麻里こっちおいで風邪引くぞ」
「う、うん」
初めての夜はなかなか寝付けそうになく、お互い寝返りばかりしていた。
この前とは違う温度が肌を伝う。
兄妹ではなく恋人になった今、愛し合う二人が同じ布団の中にいる。
何も起こらないわけがない。
首の下にあるお兄ちゃんの長い腕が今にも体を包みそうだった。
「お兄ちゃん…起きてる?」
「あぁ…何だ?」
「このネックレスどうするの?」
今だにお互いの胸に光るトパーズとエメラルドの指輪が気になっていた。
「今までみたいにお互いのを持っていればいいだろ。兄妹の証じゃなく恋人の証としてな。嫌か?」
「ううん、そうじゃないけど…どうして親が違うのにお兄ちゃんも持ってるのかなぁって」
「それなお袋の形見なんだ。お袋も五月生まれでお前の親父さんがプレゼントしたんだ。お袋いつも眺めてた。綺麗だろってな」
「そうだったんだ…」