Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
愛し合った後も生まれたままの姿でお兄ちゃんの腕に包まれていた。
お互い恥ずかしくて言葉が出てこない。
お互いの心音だけが部屋中に響いていた。
「麻里…愛してる。これからもずっと」
「あたしも愛してるよ」
「俺は麻里を妹だと思っている頃からずっと麻里が好きだった。おてんばで泣き虫な麻里をずっと守りたかったんだ」
煙草に火をつけ、財布からボロボロになった一枚の写真をあたしに見せた。
「これ…赤いアルバムから紛失していたあたしの写真…どうしてお兄ちゃんが?」
手に取った写真は施設で無くしたと思っていた中学生の時の写真だった。
「泣き虫小学生だった麻里がセーラー服着てるだろ?なんか大人びたっていうか可愛いくてな。つい盗んでしまったんだ。それ以来、それが俺の希望だった」
「こんな写真が?」
「いつか必ず一緒に暮らせるっていつもそれを眺めながら信じてたんだ」
「お兄ちゃんが見つめ過ぎたからこんなにボロボロなんじゃない」
「かもな…」
お兄ちゃんは大事そうに写真を財布にしまうと、あたし達はまた体を重ねた。
今までの寂しさを埋めるかのように何度も何度も愛を重ねた――。