Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
〜第十二章〜 永遠の愛
あれから寒い冬を越え、ピンク一色の陽気な春を越え季節は太陽が活躍する夏へと突入していた。
あたしとお兄ちゃんは相変わらず。
変わった事と言ったら”お兄ちゃん”から”ハヤト”に変わり苗字が変わった事。
クリスマスプレゼントが結婚指輪と婚約届だった
。
そう、あたしは莉奈と同じ極道の妻になった。
一也さん達から”姉さん”と呼ばれ初めは照れ臭い気もしたけど組を守る 颯斗の支えとして恥じないように努力した。
あたしの仕事はAngel三号店のママ。
二号店のママは莉奈。
莉奈は篤さんの子供を身篭り妊娠三ヶ月。
顔付きはすっかり母親になっていた。
「男の子かな?女の子かな?」
「元気でいてくれればどっちでもいいわよ」
莉奈が手慣れた手つきで水割りを作る。
あたしは店を閉めるといつも莉奈の店に顔を出すのが日課だった。
「着物ってゆっくりできないよね。颯斗が絶対着物って煩くてさぁ」
「極道の妻はやっぱり着物っしょ♪それより麻里は子供つくらないの?」
「ん…、いつか神様が授けてくれるよ。まだ半人前だから母親になるには早いって神様も思ってるんじゃないかな」
颯斗との子供…。
今の今まで考えてなかった。
愛し合う二人にいつかは授かる宝。
きっとお母さんみたいに命がけで守るんだろうな…。