Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「何で俺をすぐに呼ばなかったんだ!何かあってからじゃ遅いんだぞ」
「あたしだって組や店を守る権利あるもん!」
あの日の事を知った颯斗が朝から罵声を響かせた。
「だいたい、一也達がすぐ近くにいたんだ!せめてアイツらには知らせろ」
「あたしは颯斗の妻よ!あんなチンピラあたしにだって追い返せるわよ」
バシッ―――…
颯斗の手があたしの頬を激しく通過した。
「極道を甘くみるな!アイツらがチャカぶっ放したら麻里は今頃あの世だ!少しは命を大事にしろ!お前が死んだら俺は生きていけねぇんだ…」
「颯斗…」
颯斗の涙が後悔を生んだ。
またしてしまった―…。
剛の所に一人で行った時と同じ。
颯斗を泣く程、心配させてしまった。
結局、あたしはあの頃と何も変わっていないんだ。
いつもあたしのした事は颯斗を苦しめてしまう。
こんなんじゃ極道の妻とは言えない…。
颯斗に叩かれた頬の痛みと颯斗を苦しめた心の痛みに後悔の波が襲い掛かる。