Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「颯斗…ごめ…ゥッッ」


「おい!麻里!どうしたんだよ!しっかりしろ!」


あたしは胃の底から込み上げてくる吐き気の強さに洗面所に駆け込む。


二日酔いなんて滅多にしないのに。


最近、気が張って睡眠も不十分だから疲れてるのかな…。


吐き気はすぐにおさまり胃液を吐いただけだった。


「あたしは大丈夫、ただの疲れだと思うから」


「大丈夫か?叩いたりして悪かったな。でも俺はお前が大切だから…」


「分かってる…」


颯斗が背中を優しく摩る。


「ゆっくり休んどけ、しばらくAngelは閉めた方がいい」


「うん」


「俺は親父の所行ったり篤んとこ行くから帰りは遅くなる」


颯斗はあたしを寝室まで運ぶと黒のスーツ姿で家を出た。


パタンと扉が閉まり広い部屋には時を刻む針だけが止まることなく動いていた――…。












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