Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「どれどれ…」


莉奈がスティックを覗き込む。


白いスティックにくぎづけになっていると赤い線がじわりじわりと浮き上がってくるのが分かった。


「あっっ!!妊娠してるよ!!ほら見て、赤い線が判定の所に出てるでしょ?陽性よ」


「うそ…陽性…?」


何度も説明書を見直すけど陽性の場合…と書かれているスティックの絵と同じだった。


「麻里おめでとう!我が子と同い年ね」


「う…ん」


莉奈がお腹を優しく撫でる。


あたしは突然の出来事をなかなか把握出来ずスティックをただひたすら眺めていた。


颯斗喜んでくれるかな…。


名前まで決まっているんだもん。


部屋中走り回って喜ぶに違いない…。


だってあたしと颯斗の愛の証だもん――…。


愛し合う二人に天使が舞い降りたんだ。


きっとこれ以上、抗争が起きないように平和を願う天使が颯斗たちを守る為に宿ってくれたんだ…。







でも…そんな気持ちとは反対にあたし達の幸せが崩壊するカウントダウンは既に始まっていた。













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