Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
〜第一章〜 過去の過ち
「麻里、今日もバイト?たまにはうちらと遊んでもよくない?今日来る男子校のメンバー超イケメンらしいよ」
「うん…、ごめん。今店忙しいくて休めないんだよね」
「そっか…、あんまり無理しないでね。今日の結果メールに入れとくね。バイバイ」
太陽がサンサンと照り付ける真夏のホームに残されたあたしは楽しそうに、はしゃぐクラスメイトの亜紀達を見送るのはいつもの事だった。
今年は高校生活最後の夏とあって部活も引退し亜紀達が浮かれるのも無理ない。
どっかの高校生と合コンだの、デートだのあたしには何一つ興味の無い話だった。
学校の友達も上辺だけ
勉強なんて形だけ
あたしの高校生活なんてそんなつまらないもんだった。
あたしはいつから笑う事を忘れてしまったのだろう。
大好きなお兄ちゃんを奪っていったあの事件さえ起きなければ――。