Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「こん中に俺の子供がいるのか?」


「そうよ。しかも二人。そんなに泣いてちゃ、赤ちゃんに笑われるわよ」


「う…そだろ…」


颯斗はあたしのお腹に手を当て命があることを確かめていた。


「麻里…俺、必ず生きるよ!でもな…親父の敵を取らなきゃならないんだ。これだけは譲れない。加賀組を潰して親父の愛した組を守るのが俺の役目なんだ」


「だからって…殺し合いなの?間違ってるよ!無駄な血を流す事が会長さんに対する供養じゃないでしょう?」


「麻里…分かってくれ。これが極道なんだよ!親父かよく言ってたんだ。”たかが極道、されど極道”ってな。それにこのまま何もしなかったら組の為に命張って守った若い衆達に顔向け出来ない。アイツらきっと天国で俺らが敵を取ってくれるって信じてるんだ…」


「じゃあ、あたしやお腹の子供達の事はどうでもいいの?生まれてきて父親がいないなんてあんまりよ」


時折、吹いてくる北風が 心までも凍らせた。















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