Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
医者達の出入りが激しくなりそして最も恐れていた残酷な事を口にした。
「大変危険な状態です。しっかり名前を呼んであげて下さい!!」
「……」
「『親分!!!!』」
颯斗を慕う若い衆達がベッドを囲む。
篤さんが颯斗の頬を何度も叩く音が病室中に響く―。
あたしの体は金縛りにあったように固まったままだった。
「麻里!!颯斗の手を握るんだ」
篤さんがあたしの手を引っ張る――。
口を覆う酸素マスクにかろうじて水滴が見え呼吸しているのが分かった。
そして――…
颯斗がうっすら目を開けた。
「ま…り…。約束…守れなくて…」
「え?何?颯斗しっかりしてよ!!お願いだから目を覚まして!!赤ちゃん達も頑張れって言ってるわよ」
あたしはこの時初めて、颯斗の命が消えかけている事に気付いた。