Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「麻里…ごめんな…。愛してるよ…」
「颯斗!!!!!!!」
颯斗が握りしめていたトパーズのネックレスが指を摺り抜け床に転がったと同時に颯斗の命が消えたことを告げる音が鳴り響く――。
「イヤァァ!!!!!」
あたしはまだ温かい颯斗にしがみつき何度も名前を呼んだ。
でも…颯斗が目を覚ますことは無かった―。
颯斗は約束を果たすことなく逝ってしまった。
もう少しで新しい年を迎え、新しい家族と一緒に過ごせるはずだったのに――…。
あたしの最愛の人は最期まで任侠の道を歩み尽くした。
会長さんの愛した組をたった一人で守り通した。
あたしはそんな颯斗を誇りに思う。
颯斗こそ任侠道に生きた本当の極道だと……。
そして、あたしもまた極道の妻として颯斗の愛した組を守らなきゃならない―…。
たとえ…自らの命を散らしても―…。