Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


「そんな事があったんだ…。あたしは兄弟いないから麻里が羨ましいな。きっと優しくてイケメンなお兄ちゃんなんだろうね」


全てを話し終わると莉奈は二つの指輪をずっと眺めていた。


「麻里は、お兄ちゃんをずっと待ってるんだ。後二年弱だもんね。絶対迎えに来てくれるよ。ここは信じて待つしかないよね」


「うん…ありがと」





莉奈が笑ってくれるだけで本当に願いが叶うような気がした。


莉奈自信も実の母親に虐待されたあげく男が出来た途端、邪魔者扱いされ辛い過去があるのに、どうしてあんな心から笑顔になれるのか不思議だった。


以前、一緒に水着を買いに行って試着の時、たまたま見えた莉奈の体に残る生々しい傷跡を聞いた時も笑いながら

”馬鹿親にやられたんだ
あたしの綺麗な体が台なしだよね

って笑ってたっけ……。


もしあたしが莉奈の立場だったら傷跡隠しまくって露出度の高い水着なんか絶対着ないと思う。
けど莉奈はあんなに人の集まる海で堂々としていた。


海が大好きな莉奈はこんがり焼けた肌に、体は小さいけど潤んだ大きな瞳、綺麗な栗色に光るロングヘアがよく似合っていて何よりも笑った時の八重歯がとても魅力的だった。


いつも明るく元気で透明感ある莉奈はお店でも人気があってあたしにないものを沢山持っていた。


きっと過去を受け入れ、振り返る事なく真っすぐ前を向いて歩いているからあんなに輝いているのだろうと思った。











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