Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「多分だけど、あいつら麻薬の取引してるんだと思うよ!外人はチャイニーズマフィアかイラン人らへんじゃない」
「え?麻薬って犯罪じゃん」
「最近多いらしいよ。店にいる先輩から聞いたんだけど、すごく気持ちよく痩せれる薬があるって言ってた。薬に手を付けたら人生おしまいよね」
「そうなんだ…」
”麻薬”って言葉は知っていたけど、こんな近くで売買されているなんて知らなかった。
前にテレビで麻薬の依存症に苦しむ人を見た事がある。
幻覚、幻聴、被害妄想など様々な症状に苦しみ人間じゃないように見えてきて怖くてチャンネルを変えた覚えがあった。
「麻里、絶対薬だけは手を出さないって誓おうね。自分を殺すような人間になるのだけは止めよう」
「…うん。約束する。莉奈もだよ」
「当たり前よ。あたし今まで散々悪さしてきたけどさすがに薬だけは手を付けなかったなぁ。あんな親でも一応あたしを産んでくれた以上は命を粗末にする訳いかないしね」
再び歩き出した時、何となくマフィアの一人と目が合って見られている気がした。