Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「ご苦労様です!!」
オーナーの甲高い声と共に、ゾロゾロと黒いスーツを着た男達が店に入ってきた。
うわぁ…みんな髪型オールバックだし目つき怖っ…。
先輩ホステス達は通路に並び彼らに笑顔を振り撒いていた。
こいつらが金田組の幹部……。
あたしは初めて見るヤクザに瞬きすら忘れていた。
「あの人が会長でその隣の人が組長!めちゃめちゃイケメンでしょ?」
隣にいた莉奈があたしの耳元で呟いた。
莉奈の視線の先に目を向けると黒色の着物を羽織った年配の人が目に映った。
貫禄があり綺麗に整った顎髭がやけに似合っていて茶色のサングラスの下から見える傷跡が任侠道に生きてきた証であるかのように光って見えた。
イケメン組長はというと…―
真っ黒の髪を立て高そうな白いスーツに身を纏いシャツのボタンをホスト?ってくらい大胆に開けて胸元にはゴールドのネックレスが輝いていた。
イケメン……??
てか、サングラスしてたら顔が分からないじゃん。
あたしは会長と組長を交互に観察していた。