Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


あたしがこの山崎家の娘になって早十年が過ぎようとしていた。


産みの両親は一歳の時、事故で他界し写真でしか知らない。


七歳離れた兄と物心ついた時には養護施設で暮らしていてあたしが高校に進学する時に子供を授かれなかった山崎家に里親として迎えられ初めは親という感覚に戸惑ったが山崎家の溢れんばかりの愛情でここまで生きてこれた。



大きな会社を経営していて滅多に家には帰って来ないが、どんなに忙しくてもあたしの誕生日だけは祝ってくれる優しい父


社長婦人なのに気取った所もなく向日葵のように明るくて温かい母



あたしを本当の娘同様に育ててくれたこの両親の前だけは”いい娘”でいたかった。



だから嫌いな学校も休んだことは無いし成績もトップを必死に維持していた。



両親への感謝がこんなもんで伝わるかは否定出来ないが、あたしの中で思い付いた親孝行だった。










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