Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
〜第三章〜 再会
季節はどこか寂しい秋から銀世界の広がる冬へと移ろうとしていた―。
「山崎さん、ちょっといい?」
授業終了のチャイムと同時に大きなあくびをしていたあたしに担任の川田先生に呼ばれ廊下に出た。
「あなた最近、授業中居眠りばかりしてるそうね。他の先生方も言ってたわ。貴方三年なのよ。大学受けるんでしょ?いくら成績がよくても授業態度が悪いんじゃ推薦なんかできないわよ。夜更かしする理由でもあるの?」
また説教かよ…。
早く卒業して自由になりたい…。
険しい顔で見つめる川田先生から視線を反らし舌打ちをした。
「山崎さん!聞いてるの?そんな態度が続くようだったら親御さんに連絡するしかないわね」
「………!!」
”親”と言われた瞬間、優しいお父さんとお母さんの顔が脳裏に浮かんだ。
あたしは”いい娘”なんだ。こんな奴にチクられてたまるか…。
「先生、すいませんでした。夜更かししない程度に勉強しますので…」
態度が急に変わったあたしに驚きの表情を見せる川田だったが安心したように”約束よ”と言って笑顔で去って行った。
はぁぁ…。
大きくため息を吐き教室を見渡すと黒板に日直が明日の日付を書き直していた。
”十一月四日 ”
明日、あたしの十八回目の誕生日だ―――。