Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「お母さん…話があるの。今、大丈夫?」
「まぁ、どうしたの?そんな短いスカート履いて」
ガーデニング中のお母さんがまるで幽霊でも見たかの様にあたしの格好を見て何度も瞬きをした。
それもそのはず、あたしは”自分”を着ていた。
両親は昔の人間で”派手な服や化粧”イコール”不良”だった。
以前、お母さんと買い物に行った時も同じ学校の子達が化粧して制服のリボンは外し校則違反のスカートを履いているのを見て”あんな不良だけはならないでね”と言った。
学校ではそれが”普通”だった。逆に校則通りのスカートを履いてる方が変な目で見られる事をあの時のあたしは言えなかった。
本当の親子なら気兼ねすることなく”お母さん考えが古いよ。あれが普通なの”って言えたのかもしれない。
紙切れでは親子でも実際は”恩”という重たいもんがずっしりと、のしかかり あたしを動けなくしていたんだ。
その”恩”によってあたしは山崎家の”いい娘”を演じていた。
だからお母さんが選んでくれたワンピースやシャツしか着たこと無かったあたしがピンクのラメが入った超ミニのデニム姿でいきなり現れたら幽霊だと思われても仕方なかった。