Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「お父さんとも相談して麻里ちゃんから話してくれるまで見守ってあげようってね。実際、バイト始めてからの麻里ちゃんは変わったものね。莉奈ちゃんをうちに連れて来たのもその証拠でしょ。お父さんも凄く喜んでねだからあのブレスレットを二人にプレゼントしたのよ。貴女のやっと見つけた宝がずっと輝いていますようにってね」
「お父さんも知ってたんだ―…。あたし…―。」
あたしは幼い子供が縋って泣くみたいにテーブルの向こう側に座っていたお母さんに抱き付き幼い子供以上に泣いた。
この家に来て初めて見せた本当の涙…―。
いつもはベッドの中だけが涙を受け止めてくれる場所だったのに今はベッドよりも温くてどこと無く石鹸の匂いがするお母さんの胸の中で沢山の涙が吸い込まれていく―…。
”お母さん”ってこんな偉大な存在だなんて今の今まで気付かなかった。
「でもね…麻里ちゃん」
ずっとうずくまっているあたしにお母さんが優しく肩を掴んだ。
「でも貴女は高校生で未成年なの。ホステスのバイトはよくないわ。だからお母さんお店の方に電話をしたの。本当の事を話したわ。何か言われなかった?」
あたしは大きく首を左右に振った。