Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜
「ねぇ、お兄ちゃん…起きてる?」
お兄ちゃんとは襖一つ隔てた部屋にいた。
いくら血の繋がった妹とはいえ現役高校生と同じ部屋で寝るのは抵抗あったのかあたしがお風呂に行ってる間に、部屋が仕切られお布団が引かれてあった。
「どうした?眠れないのか?麻里の悪い癖が始まったな。初めての部屋で寝る時は必ず泣いてたもんな”お兄ちゃん怖いよ”って鼻水垂らしながらな」
「もぉ〜馬鹿にして!泣いたりなんかしてませんよぉ〜だ!!」
襖の奧から聞こえる笑い声が妙に癒されるのは何故だろう…。
お兄ちゃんは今どんな顔して布団の中にいるのかなぁ…。
そう思うたびに胸がドキドキして、いっこうに瞼が下りてはくれない…。
このままじゃ本当に朝になっちゃうよ…。
あたしは思い切ってお兄ちゃんに聞いた―。
「お兄ちゃんの布団に入ってもいい…?」