Mafia〜兄妹を越えた真実(ホント)の約束〜


不思議なことにお兄ちゃんと過ごして一週間過ぎても二週間過ぎても、昔のような”ウザイ”感情は出てこなかった。


むしろ、日が経つにつれて山崎家に帰る日が近付くのが嫌だった。


ヤクザってそんなに儲かるのか服など沢山買ってもらい色んな所に連れて行ってくれた。


初詣に遊園地に映画にショッピング。それにお兄ちゃんは嫌がったけどあたし達の故郷でもある養護施設にも行った。


先生達はみんな当たり前だけど白髪やシワが増えて歳をとっていた。


お兄ちゃんの姿に驚いていたものの”相変わらず兄妹ラブラブね”と目を細めていた。


あたし達の育った家は少し古くなっていたけど何も変わっていなかった。


ジャングルジムや滑り台で元気に遊ぶ子供達の姿が、あの頃のあたしとお兄ちゃんを重ねて写す。


「うぇーん、まり、こわくて、すべれないよぉ〜。おにいちゃん、だっこして」


「まったく…まりは、おにいちゃんがそばにいないとだめだな、おいで」


泣き止まないあたしの手を引き、お兄ちゃんの膝に座って滑った象さんの滑り台。


ここには沢山の想い出がぎっしり色褪せることなく詰まっている―。


お兄ちゃんと泣いて笑って過ごした大切な時間が
ずっと永遠に――…。











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